単価 2/3 で急成長中 — あるハイヤー会社の DX 事例
業界最低水準の単価で勝負する中で、さらに「業界平均の 2/3」の価格を出して受注を急増させているハイヤー会社の話。「安くて儲かる」を成立させる人件費構造の作り方を、現場のオペレーション目線で解説します。
「単価を下げたら、利益も下がる」—— ハイヤー業界では当たり前に思われている前提です。
ところが、ある関東圏のハイヤー会社(車両 10 台、配車員 1 名)は 業界平均の約 2/3 の単価 を提示しながら、月商が伸び続け、受注は前年同期比で大幅増。「安くしても儲かる」を実現しています。
何が違うのか。本稿では、このお客様の オペレーションの中身 を分解し、なぜ「安くて儲かる」が成立するのかを解き明かします。
業界の前提:中国系ハイヤーは「すでに最低水準」
まず、市場の構造を確認しておきます。
訪日インバウンド向けハイヤー市場では、近年中国系ハイヤー会社の存在感が大きくなっています。日本人経営の老舗ハイヤー会社と比べると、中国系の単価は 既に業界全体の最低水準 に位置しています。
その理由は、中国系のお客様(中国人富裕層 / 中国系 OTA 経由の予約)に向けて競争が激しく、単価で差別化するしか戦い方がなかったから。
そして、その「最低水準の単価」でも、ほとんどの中国系ハイヤー会社は 配車員を 2-3 名抱え、利益率はギリギリ で運営しています。「これ以上下げたら赤字」というラインで止まっている。
例外的なお客様:配車員 1 人で月 3,000 万円
ところが、弊社のお客様の 1 社は、この前提を完全に外れています。
- 車両 10 台規模
- 配車員 わずか 1 名
- 月商 3,000 万円超
- 単価は 業界平均の約 2/3
- それでも 利益が出ている
数字だけ見ると「ありえない」レベルです。
なぜこれが可能になっているのか。3 つの構造的な仕掛け があります。
仕掛け 1 | 配車員は「録入」しない
このお客様の配車員は、1 日 100 件の注文を一度も「打ち込み」していません。
すべての注文は:
- KKday / GYG / Viator / Klook → クラウド定期取込で自動録入
- 直接メール → AI 注文認識で全項目自動入力
- 電話 → AI Bot が一次対応、必要なものだけ配車員へ
配車員の仕事は「届いた注文を画面で確認 → どのドライバーに振るか判断 → 確定ボタン」の 3 ステップだけ。
普通のハイヤー会社なら、1 件あたり「メール開く → 内容コピー → 自社システムに転記 → 確認」で 3-5 分 かかるところを、このお客様は 10 秒以内 で 1 件処理しています。
1 日 100 件 ×(4 分 - 10 秒)≒ 6 時間 30 分の差。これだけで配車員 1 人分の仕事が浮きます。
仕掛け 2 | 配車は「微調整」だけ
注文が自動取込された後、配車も基本は 自動配車エンジン が解きます。
- 全車両のスケジュールと位置を見て
- ドライバーごとの残業上限・休憩・車種制約を反映して
- 数秒で「最適な割り当て」を提案
配車員は提案を見て、例外(VIP 案件、ドライバーの体調、突発の渋滞)だけを微調整 する。
これも普通なら配車員が頭の中で「どのドライバーが空いてて、距離的に効率いいか」を 1 件ずつ計算する作業。それを 1 日 100 件 全部やるのは、ベテランでも夕方には集中力が切れます。
自動配車に置き換えれば、ベテラン 1 人の脳に依存せず、同じ品質の判断が 24 時間続く。
仕掛け 3 | 顧客対応は「Bot」が一次窓口
外国人客の問合せは、WhatsApp / LINE Bot が 24/7 で一次対応します。
- 「明日のピックアップ時間を変えたい」→ Bot が変更内容を確認 → システムに自動反映
- 「フライトが遅延した、どうすればいい?」→ Bot がフライト情報を即時取得して案内
- 「料金を再確認したい」→ Bot が予約画面の URL を返送
Bot で解決できないケース(5-10% 程度)だけ、配車員に転送される。
「外国人客から問合せが来るたびに英語で対応する」をやっていた以前と比べて、配車員が顧客対応に費やす時間が約 1/10 になりました。
結果:人件費構造が変わる
3 つの仕掛けを足し算すると、配車員 1 人がカバーできる業務量は 通常の約 4 倍。
つまり、同じ売上を上げるために必要な配車員人数が 1/4 になる。これが「人件費構造そのものを変える」ということです。
人件費が下がれば、単価を 業界平均の 2/3 に設定しても利益が残る。安い単価が新規顧客を引き寄せ、受注がさらに増える。
正のループに入ったお客様は、現在も急速に拡大中です。
「安くて儲かる」は誰でも作れる
このお客様の事例は特別ではありません。配車インフラを整えるだけで、誰でもこの構造に到達できます。
必要なのは:
- 自動録単(クラウド定期取込)
- AI 注文認識
- 自動配車エンジン
- WhatsApp / LINE Bot
- フライト情報の即時参照
これら 5 つが揃った SaaS を入れれば、配車員 1 人でカバーできる量が伸び、人件費構造が変わり、価格競争力が生まれます。
「価格を下げる」ではなく「構造を変える」
ハイヤー業界で値下げ競争に入ると、ほとんどの会社が「人件費を絞る」「ドライバーの取り分を減らす」という方向に向かいます。これは 誰も幸せにならない選択 です。
このお客様が選んだのは反対の方向:「人を必要としない仕組みを作って、その分で値下げする」。ドライバーの取り分は維持、配車員の負荷は減り、それでも単価は業界平均の 2/3。
これが「安くて儲かる」を成立させる唯一の方法です。
P アシスト は、本稿で紹介したお客様の事例を支えている配車 SaaS です。同じ仕掛けを、月額 5 万円から導入できます。初月完全無料・契約期間の縛りなし。
詳細はお問合せから。30 分のオンラインデモで、お客様の現状に合わせて「どこから自動化を始めるか」をご提案します。